フィリピンの小さな島で
思い立ってブログを、久しぶりに書いています。
今わたしは日本を離れ、フィリピンの田舎の小さな島で、
JICA海外協力隊(旧名:青年海外協力隊)として活動をしています。
現在制作活動をお休みしているのも、
協力隊への参加を決めたためです。
このブログを通じて皆さんにきちんと報告したいと思いつつ、
たくさんの月日が流れてしまいました。
協力隊へ応募しようと心に決めた日のことは、
今でも鮮明に覚えています。
数年前に自宅近くの川が決壊し、
住まいが床上浸水して半壊するという経験をしました。
「すべての事物は絶え間なく変わり続けていく」という
無常を感じ、
そして、いつか死ぬ、ではなく、いつでも死ぬ、
生と死を考えました。
人生の転機のように思います。
「世の中の役に立てることは何なのか探しなさい。
人生の一番の喜びは人が喜んでくれた時。
人のためと言いながら自分のためだよ」
樹木希林さんの言葉です。
この頃に考えていたこと、そして今もなおずっと考え続けていることが、
この言葉には詰まっています。
ひらめきとは面白いもので、
ある日突然ふと「協力隊」が頭に浮かびました。
そう直感してから行動に至るまでの集中力は、
われながら結構すごかったです。
応募から選考、日本で70日間の訓練を経て、
この島に導かれるようにしてたどり着き、
あっというまに1年7か月が経ちます。
嬉しいことに、フィリピンは第一希望でした。
ここでいったい何をしているのかというと、
手工芸品を作る職人さん達の収入向上を目的に、
物づくり支援をしています。
最も関わるのある支援グループは、
携帯の電波も届かない山奥にアトリエを構え、
活動をしています。メンバーは約15名、30〜70代で全員女性です。
彼女たちは子育てや家事の合間を縫いながら、
ロンブロンと呼ばれる島に自生する植物の葉を乾燥させ、手編みし、
島を訪れる観光客に向けて(黒魔術が有名な神秘の島として国内外からたくさんの方が訪れます)
バッグやポーチなどのお土産品を作っています。
この手編みバッグ、すべて手作業で作ることができます。
島には電気が通ってない家庭もあり、
(物価の安いフィリピンですが電気代は日本以上に高く、
田舎の一般家庭にとって電気は超贅沢品です)
通っている家庭であっても停電が頻繁に起きるので、
電気に頼らずに製作できる手工芸品は、
この地域の特性に合っていて、可能性を感じています。
生産者の方々と交流が深まるなかで、1つのバッグが完成するまでに
たくさんの時間と手間、忍耐を要することを思い知りました。
「物づくりは割に合わない商売だから」と、
もっと効率よく稼げる他の仕事を、始めるメンバーも少なくありません。
他の仕事はというと、自分で作ったお惣菜やおやつ、畑で収穫した野菜や果物などを
近所の人たちに売ったりです。
こちらもわずかな収入ですが、少しでも家計の足しにしたいと
働くお母さんの姿があります。
山奥ということもあり、お母さんたちの出来る仕事、
(仕事だけでなく交友関係や買い物等も)
ほとんど家の周りだけで完結しています。
そのためか観光客に売れるお土産はどんなものかなど、
外の情報を得るチャンスはほとんどなかったそうです。
私が赴任する前までは自分の作りたいものを
手当たり次第に作っているというような感じでした。
ニーズに合っていない→売れない→儲からない→作るのをやめてしまう
悪循環。
もうひと手間加えたら素敵なバッグになりそうなのに、もったいない!
なんとかお手伝い出来たら。そう思いました。
そして赴任当初、その工賃のあまりの低さに愕然としました。
本当に儲かっているの?
そもそも「儲ける」という概念があまりないのかもしれない。
作る人、売る人、買う人、
みんながしあわせになれる物づくりができるように、
奮闘しています。
活動休止のおしらせ
大切なお知らせです。
今年いっぱいをもちまして、2012年夏から5年間に渡って
運営をしてきましたクッションの制作・販売を、しばらくお休みします。
物づくりの楽しさ難しさを味わいながら、駆け抜けた日々、
もっといいものがつくりたいという探究心、
心を動かされた粋な出会いの数々。
いつしか作ることがわたしの人生の一部になって、
素晴らしい瞬間を味わうことができました。
でも、、、、新しいことをはじめるのなら、きっと今!
そう肌で感じ取った出来事があり、その流れにふわっと身を任せ、
新しい道を歩みます。
活動休止前、最後の受注会を下記期間で開催します。
受注期間:2017年9月1日(金)から9月14日(木)
9月下旬〜12月中旬にかけて、随時発送いたします。
今回、フリルのついた正方形、長方形のクッション、
そしてシルク製のサテンクッションも数量限定で販売いたします。
こちらは先着順、無くなり次第販売終了となりますので、
気になる方はお早めにどうぞ。
(写真右側に写っているピンクのクッションです)
販売価格等、すべてのお問い合わせは、meiriexxx@gmail.comまで。
3日経っても返信がない場合は、お手数ですがブログのコメント欄にてお知らせくださいませ。
メールを送信したはずがこちらに届かない、送受信ができない、というケースがあります。
ご自身で、迷惑メール受信拒否設定をしていない場合でも、
携帯電話以外からのメールは受信しないよう、標準設定されていることがあるそうです。
[@gmail.com]のドメインを受信可能な設定にしていただくか、
メールのやりとりにはgmailやyahoomailなどを推奨いたします。
受注期間内でも早期終了となる可能性がありますこと、ご了承くださいませ。
突然の報告で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
Montpellierからの手紙
暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
わたしは南仏のモンペリエに来てからもうすぐ1ヶ月。
朝一番のビーチ通いが日課となり、
ついこの前まで制作に没頭していた日々がどこか遠くに感じています。
嬉しい再会もありました。
去年、実家が水害の被害をうけた際に、私たち家族を助けてくれたフランス人の友人。
そんな彼のご実家を訪ねて、モンペリエから電車で2時間、ペルピニャンという街へ。
一人で生活をしていると、家族のぬくもりが恋しくなってくる。
そんなときに、嬉しいお誘いでした。
彼らが住んでいるのは、リビングに波音まで届きそうなほど、海にほど近いマンション。
毎朝の浜辺のお散歩が日課という、笑顔がすてきなお母さん。
もちろん滞在中は、ほとんどの時間をビーチで過ごしました。
海の鼓動が人間の暮らしに溶け合い、特別な気持ちに包まれます。
そして、なにが人生を豊かにしてくれるのかに気づくのです。
モンペリエから、
あなたの素敵な夏を祈って。